NTT DoCoMoが発売し、一世を風靡した(らしい)ポケットボード・ピュアをバラしてみた。なお、今回バラしたものは、このため"だけ"にYahoo!オークションで落札したものである。まったく無駄なことしてますなぁ…(しかも新品 ^^;) 構造は簡単で、ネジで留めてあるだけなので、あっさりと分解することができる。それでは、さっそく基板の様子から見ていこう。 This is the board of "Pocket board PURE". Two LSI is MPU and MEMORY chip. If you click this photo,you can see same photo that the size is 1089*528 dot. 基板は1枚で構成され、両面に部品が実装されている。上の写真はMPU搭載面で、筐体に実装されるときには底面側に位置する。右側の茶色のコネクタがキーボードからのフラットケーブルを接続するもの。上側の白いコネクタ(2pin)が、電池とつながるものである。その間に位置しているコネクタはLCDとの接続用。ちょっと見にくいが、真ん中にある黒いチップの右上にある丸いものは、RESETスイッチである。 2個のチップは、左側がMPU(CPU)、右側がメモリである。その拡大が次の写真。 The LSI on the left is 16bit MPU(called MCU) made by MITSUBISHI. The name is M30612SFP. Operating clock is 7.37MHz. Another LSI is Flash MEMORY made by MITSUBISHI. The name is M5M29FT160AVP-80. MPUは三菱の16bitMCU、M16C/61シリーズのM30612SFP。100pinQFPパッケージである。データシートが発見できなかったので推測だが、3V動作(5V動作も可)でROMは外付けのようだ。内蔵RAMも持ち、シリアルI/O・A/Dコンバータ・D/Aコンバータ・DMAチャンネルも有している。 CPUの右にあるのが、同じく三菱製のFlashメモリ M5M29FT160AVP-80。これもデータシートがなかったので、詳細は不明。たぶん、アプリケーションはこのフラッシュメモリに書き込まれており、シリアルコネクタを通してアップデートが可能なのであろう。 This is the another side of the board. If you click this photo,you can see same photo that the size is 1101*602dot. 基板の反対側である。左下の白いコネクタが、PDCとの接続ケーブルがつながる16pinコネクタ。右端には4pinのシリアルコネクタ。このコネクタを使ってPCと接続し、データのバックアップをとることが可能らしい。その下にある部品はMPUのクロックだろう。表示は7.37MHzである。2本のケーブルでつながっている丸いものは圧電スピーカー。BEEP音を出すためのもの。 The LSI on the right is 2Mbit Low-Power SRAM(made by MITSUBISHI)) that the name is M5M5V216ATP70HI. The center one is probably LCD driver. And the other(on the left side) is PDC interface. LSI部の拡大写真である。3つあるうちの右側のものがM5M5V216ATP70HI.。これは、2MbitのLow-Power SRAMであり、128k×16で構成されている。0.25micronプロセスで製造され、Vccは2.7〜3.6V。TSOPの44pinである。真ん中のM66272FPが、たぶんLCDドライバ。左上のCITIZENのチップが、PDCインターフェースを受け持っていると考えられる。 |
これは、LCD部を取り外した筐体の上半分の部分である。トランスルーセントな筐体にキーボードが取り付けられている。 裏から見てわかるとおり、フィルム式の接点になっている。キーボードの固定は、内フレームを筐体にネジ止め(2箇所)することにより行っている。この内フレームを取り外しキーボードだけ取り出すとこんな感じ。 キーストロークはそこそこあるため押し込み感は結構あるのだが、筐体も内フレームもそれほど硬い材質ではなく、しかも下側がフィルム式のため、クリック感には乏しい。それでも、消しゴムキーボードよりはいいかも? 圧電スピーカがついているのだが、これの固定方法は筐体にテープで止めるだけというなかなか素晴らしい方法。筐体自体を圧電素子でドライブしている感じである。 ふたにあたるLCDユニット部分である。フラットケーブルにより基板と結合されるが、筐体との接続部分(回転するということ)はスポンジにより保護するという、実にローコストな方法が取られている。耐久性が不安だと思うのだが…。ちなみに、見た目にはこの上からさらにカバーが掛かるため、全くわからないようになっている。 LCDユニットからフロントパネルを取り外した様子である。LCD自体は背面でふたにあたる部分に固定されている(両面テープか?)ため、取り外していない。 下部筐体の様子である。電池ボックスがあるだけ。なお、筐体を止めているネジは、ほとんどが上部筐体の接続ケーブル収納部分に位置しているが、上部筐体とLCDヒンジ部のカバーを固定するネジ2本だけは、電池ボックス内に位置している。 底面にはNTT DoCoMoのシールが貼られ、製造番号が入っている。もちろん認定マーク入り。しかし、この筐体でVCCI基準をクリアしているというのだからすごいよなぁ。 |
表示
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モノクロ液晶 全角25文字×7行 12×12dot |
通信手順
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無手順及びPB信号インターフェース |
通信速度
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9600bps |
メモリ容量
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256KB(うちユーザーエリア 128KB) |
電源
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単4型アルカリ電池×2 |
入力電圧
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3V |
定格電流
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60mA |
消費電力
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0.18W |
電池寿命
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連続使用 26時間 連続通信 15時間 |
外形寸法
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166.2×86×23.8(mm) |
重量
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199g |
製造
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シチズン時計 |