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CASSIOPEIA A-60の内部構造
with English comment version
A60全体
Overall view "CASSIOPEIA A-60"

 私が常用しているWindows CEマシン、CASSIOPEIA A-60の内部を公開する。さぁ、じっくりとその実装技術を見てみよう!
 早速、ネジを外して裏蓋(底のことね)を取る。Mobile Gear IIは噛み合わせが比較的しっかりしていたが、CASSIOPEIAはバッテリー装着部のつめ3つを外すと、すぐに分離できる。

A60裏面1
Remove the bottom cover from "CASSIOPEIA A60".
The black socket on the left is PC card slot. 2 chips on the center is the soft-installed ROM.
 左半分の黒い部分がPCカードスロット、真ん中の四角いチップがOS等内蔵ソフトが記録されているROMボード、右下のスロットがコンパクトフラッシュ(CF)スロットである。
 上部の隙間がバッテリパックがはまるところだ。

 はずした裏蓋が下の写真。真ん中の部分が外れるようになっている。この部分は後で説明する。
A60裏蓋1
This is the bottom cover. Backup battery socket is on the right.
 右上の丸い部分は、バックアップバッテリを入れるところだ。
 この裏蓋をひっくり返してみるとこうなっている。

A60裏蓋2
Turn over the bottom cover.
 さて、先ほどの真ん中の外れる部分だが、ここだけ外した状態にするとこんな感じになるのだ。

ROM窓

 下の拡大写真を見てもらえればよくわかると思うのだが、ROMボードの部分だけが見えている。
ROM窓2
The cover on the center can remove from the bottom cover. Probably this use to update the ROM-board.
 ようするに、ROMアップグレード等のメンテナンス用にこういう構造にしてあるわけだ。その割に、H/PC Pro 3.0へのアップグレードサービスが行われないのはなぜ?(笑)
 さて、それでは内部の方に戻るが、基板の右半分を拡大したのが次の写真である。
基板拡大1
ROM chips are on the sub board. ROM is made by NEC. The silver socket is Compact Flash card slot.
 ROMはチップ2枚しか見えないが、この子基板の裏側(コネクタ側)にもう1個同じものがついている。NEC製なのがなんとも…(^^;)

 右下のCFスロットについているEJECTボタン(黒色のヤツ)のさらに右側に白い突起物があるのがわかると思うが、これはCFスロットカバーがしまっているかチェックしているスイッチである。CFスロットのカバーを取り付けないと電源が入らないようになっているので、メモリ専用として考えているんだろうねぇ。

 基板から出ている緑のフラットケーブルはキーボードへ、茶色のフラットケーブルは液晶ユニットにつながっている。
 右向きに向いてついているコネクタがシリアルポートで、茶色のフラットケーブルの下に見えているのが内蔵スピーカ。これだけ小さくでも紙コーンなんだからなぁ。

CF部拡大
The chip under the CF slot is made by MAXIM. Perhaps this is serial controler.

 CFスロットの下には、MAXIMのICがいくつかついている。シリアル関係と、電源コントロール関係と思われる。
基板拡大2
Under the ROM board, probably the circuit is Voltage regulator.

 ROMボードを外してみると、そこにはインダクタやチップ電解コンデンサが密集している。どうやらここに電源ユニットの受動部品が集まっているようだ。チップコンデンサでは容量が追いつかないものについては、耐圧6.3Vの立型電解コンデンサを使っているが、コストダウンのためかな?(笑)

 ちなみに、コストダウンといえばこの基板、片面実装なんすよ。
基板裏&キーボード
Chips are soldered only one side of Main board.
 見てのとおり、片面はパターンが走ってるだけで、部品は1個もついてないのだ。これには驚いたね。コストダウンと小型化を両立させているところがなんともすごい。
 キーボードがベコベコなのもすごいけどね(爆)

 さて、ここまできてCPUが見あたらないことに気がついただろうか?
 そう、実はCPUは隠されているのだ!ってわけでもないだろうけど、PCカードスロットの下にあるのだ。シールド効果を持たせた黒いフィルムをめくってみると、ようやくCPUを見ることができる。

CPU周辺
The chip on upper side is "SH-3" CPU. Operating frequency is 80MHz.

 SQFP?パッケージの日立製SH-3/80MHzがあり、その右側のシールドされている部分がたぶんメインメモリ。たぶんっていうのは、実際には見ていないから。容量の高いこてが手元になかったので、はんだ付け部分を外さなかったからなんだけどね。
 下側のチップがCASIO製のASICなんでしょう。

 ちなみに、クロックオシレータは3箇所にある。CPUの横にある細長い円筒形のものが時計用クロック、CASIO製ASICの右側にあるのがシステムクロックだと思われる。
 で、CPU用クロックが見あたらないのだが、実はCPU上側のPCカードスロットのフレームの下にあるのだ。

 これで液晶ユニット以外は完全にバラしてみたわけだが、小型化を追求しつつコストダウンを図っている点がよくわかるような気がして面白かったね。Mobile Gear IIの内部と見比べてみると、開発・設計思想の違いも見えてくるし。
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