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PC-VS26DS7DA2クロックアップ時のメモリについて


1 はじめに
 PC-VS26DS7DA2が、今や1GHzで動作していることは「PC-VS26DS7DA2で1GHz越え」において書いたとおりである。

 現在、常用としては唯一のWindows9x系マシンとして(実験機や大半のPC-98も非NT系だが)古いゲームをプレイするために使用したり、はたまたCD-RやDVD-Rの焼きマシンとして活躍している。そのため、HDDを入れ替えたり光学ドライブを増強したりということを少しずつ行っており、相変わらず現有マシンの中で最も手間暇のかかったマシンとなっている。(次点はPC-9801RX21)

 しかし、これだけいじってきても微妙に不安定な状態(突然のハングアップとか)が生じることがあり、常々その原因を探ってきたところである。細かい話はときおり雑感の方に書いていたので、「なんかまたやってるなぁ」と思いつつ見ていた人もいるかと思うが、なかなかこの詰めの安定性が確保できなかったのだ。
 で、たまたま安定性のチェックの一環としてMemtest86(使い方はgoogle等で関連サイトを探してください)を動かしてみたところ、メモリのごく一部でエラーが生じていることが判明したのであった。

2 エラーの状況
 具体的な症状は、ブロック転送時に第4bit(D3ライン)が0でなければならない時に1になってしまうことがあるというものである。メモリを替えても多かれ少なかれ発生し、しかもエラーの起こるビットの位置は変わらないことから、クロックアップによって波形の乱れが大きくなり、一番動作条件の厳しいところに影響が出ているものと考えられる。
 通常の読み書きでは問題が出ない(Memtest86の他のテストは全てクリアする)ため、ここに不安定性の原因があったのだろう。

3 対策の状況
 まず、動作環境のチェックから始めたところ、電源電圧ラインに多少の調整余地があることが判明。電源ユニットをばらして電圧をいじってみることにした。
 とりあえず、チップセットの動作速度がメモリの速度に追いついていない可能性が考えられるため、電源からの供給電圧を上げてみることにした。電圧の上昇によりチップセットのトランジスタの反応速度がわずかに向上する可能性があり、そうすればエラーが解消するかもしれないと考えたのである。

 変更する前の初期段階の電圧は、約5.2Vとちょっと高めの電圧になっていた。これをとりあえず5.35Vにまで昇圧することにした。
 電圧上昇の効果は…というと、なぜかエラー発生頻度が上昇してしまった。これではいかんので、今度は逆に5.05V以下に電圧を下げることに。
 その上で、使用するメモリをメルコのNXJあるいはNXJ-Eシリーズのような、ある程度高速動作が規定されたものにすると、エラーが出たり出なかったりというレベルにまで発生頻度を下げることができた。概ね、Memtest86を20回以上ループさせてようやくエラーが出るといったくらいである。

4 さらなる対策の実施
 以上のように、メモリを選別して搭載することによってエラーの発生をかなり抑えることができるようになったのだが、頻度が少なくなっただけでエラーが生じることには違いない。正直なところ、これ以上の対策は難しく根絶は無理だと考えていたのだが、ひょんなことからさらなる対策を取ることができた。

 最終的にこれを解決できたのは、メモリにPC133 CL=2という高速なモジュールを使用した場合であった。
 サーバに使用していたマシンからのお下がりが生じたために高速なモジュールを入れることができたのだが、Memtest86のすべてのテストをクリアできている。ついでに、長時間連続稼働時の安定性も向上した感じである。メモリモジュール側の高速動作が可能になったことで、波形の乱れが許容範囲内におさまったためであろう。

 結局のところ、小手先だけの対策では無理だったということなのだが、本来はPC66のメモリで動いていたものに、まさかPC133のCL=2なんて高速なモジュールを使わないと安定しないとは想定の範囲外であった。
 クロックアップした時にどうも不安定だなと感じられる時には、メモリも疑ってみるといいよ、という例ということで。

※追加
 さらに調査した結果、PC133 CL=3のメモリでも正常に動作するモジュールを発見した。ただ、このモジュールの場合には使われているメモリがPC133 CL=2と同じ高速なものなので動いたものと思われる。他のモジュールで、同じような速度のメモリを使っていながらエラーを出すものも多くあるので、総当たりで動作を確認し選別して使うしかないと思われる。




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