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PC-VS26DS7DA2の概要


 このマシンの主なスペックは以下のとおりである。
CPU:PentiumII/266MHz(Slot1/FSB 66MHz)
VIDEO:RIVA128(1xAGP on board, VRAM 2MB 内部増設Slotあり)
MEMORY:SDRAM DIMM×3(標準32MB内蔵)
拡張スロット:PCI×3
       (うち1つはMODEM/FAXボードが使用)
       (フルサイズカードは1枚のみ対応)
ドライブベイ:3.5インチシャドウベイ×2
       (うち1つはHDD実装済み、もう1つは要専用取付金具)
       5インチベイ×1
       (CD-ROM実装済み)
   マザーボード自体はNLX規格のもので、チップセットはintelの440LX(82443LX)が使用されている。サウスブリッジにはPIIX4(82371AB)が使用されていて、IDEはUltraDMA/33対応のポートが2つ、USBポートが2つ備えられている。PC98-NXシリーズを特徴づけるこのUSBコネクタは、前面パネルと背面パネルに1つずつ、合わせて2個搭載している。

 改造のポイントになるのは、やはりCPU周りであろう。ここをいかに強化するかがその性能を向上させるのに重要だ。なお、FSBは搭載しているクロックジェネレータの都合で、66MHz固定となっている。
 ビデオカードはRIVA128でも十分なのだが、VideoRAMが最大4MBと今ひとつ小さく、一部のアプリケーションで表示に不具合が生じることがある(具体的にはビデオキャプチャが不可だった)。チップセットレベルではAGPの2xモードをサポートしているのだが、RIVA128は1xモードでつながっている。標準でSidebandは有効となっている。外部AGPポートは有していない(オンボードで使っているので当然ですな)。

 メモリの最大搭載量は、仕様上384MBとなっている。チップセット側の仕様では128MB×4で512MBまでメモリを載せられるのだが、ソケットが3つしかないので384MBまでとなっている。この仕様を見ると、片面64MBのDIMM(両面で128MB)を使用することを想定しているはずなのだが、16Mbitのチップを使用していれば、片面で128MBのDIMMでも使えるようである。実際に、両面256MBのモジュールが動作することを確認した。
 ちなみに、DIMMソケットの1、2にはバルクのDIMMモジュールを取り付けても動作するが、DIMMソケットの0には純正メモリや対応メモリを載せないとエラーではじかれてしまうことがある。
(バルクメモリ単独でも動作することを確認したため削除。ただし、こういう症状が出たことは事実なので、注意が必要なことに変わりはない。SPDデータが正常に書き込まれていれば動作するものと思われる。)

 拡張スロットは1つがMODEM/FAXボードで埋まっていて、しかもそのボードは「取り外さないでください」ということになっているのだが、もし使用しないようであれば抜いちゃっても問題なく動作する。逆にMODEM/FAXを使用しないのであれば、ボードを抜いてしまった方が割り込み等が空くのでいいかもしれない。
 空きスロットのうち1つは標準搭載のUSBチップと割り込み線が共通のため、搭載ボードには注意する必要がある。マニュアルには、ビデオカード等は一番上のスロットに搭載するようにとの記載があるので、それに従った方がいいだろう。MODEM/FAXボードで使用しているスロットも割り込み線は単独のようである。

 3.5インチのシャドウベイのうち1つは、電源ユニットの上に専用取付金具を使用して固定する形になる。したがって、専用金具を入手しない限りは、単なる空間でしかない。

 なお、キーボードもマウスもUSB接続としたPC98-NXシリーズだが、隠れてPS/2ポートを有しているのは有名な話である。このマシンでも、キーボード用・マウス用2つのPS/2ポートがマザーボードに実装されているのだが、背面パネルの上を鉄板で覆っているために外から見えなくなっている。でも、Windowsのシステム上はちゃんとポートがあるように見える。

 USBポートは、最初に書いたようにキーボード接続用に前面×1、拡張用に背面×1の計2ポートがあるが、内部の回路としては完全に独立していないらしく、背面のポートにUSB機器を接続した場合、前面ポートに接続したキーボードの動作が不安定になる場合がある。具体的には、起動時にセットアップメニューに入れない(キーボードが効かない)とかマウスの挙動がおかしくなるなどである。
 個人的には、内蔵USBはキーボード専用として割り切ってしまい、拡張用にはUSB2.0・IEEE1394のコンボカードなどを導入することをお勧めする。今や、ADSLやFTTHの導入に必要なLANポートもないことから、システムトークスのスゴイカードシリーズを導入するのがいいかと思う。メルコのマルチファンクションインターフェースボードも使えるかも(アイ・オーデータのコンボインターフェースボードは非対応と表記)。
 なお、ギガビットイーサを導入するには少々CPUが非力なので、ファーストイーサにとどめておいた方が無難かと。

 ビデオカードに関して能力増強を図りたい場合には、PCIスロットを使用することになる。すでにビデオカードはAGP(今や、PCI Expressなわけだが)が主流になっているため、PCI対応モデルは数が限られており、また値段も高くなっている。しかし、ここで妥協してしまうとデータ転送速度の劣るPCIスロットを使用している関係上、高速化の恩恵が発揮できなくなってしまうので、可能な限り高性能なチップを使用したカードを使いたいところである。
 とりあえず、私が使ってみたカードで使用できたもの、できなかったものは以下のとおり。

 ※使用できたもの
  DIAMOND Stealth III S530 (Savage4 Pro/SDRAM 8MB)
  DIAMOND Stealth III S540 (Savage4 Pro+/SDRAM 32MB)
  アイ・オー・データ GA-SV408/PCI (Savage4 Pro+/SDRAM 8MB)
  DIAMOND Viper V330 (RIVA128/SGRAM 4MB
)
  Yuan? VGA-300S (RIVA128ZX?/SGRAM 4MB)
  アイ・オー・データ GA-VDB16/PCI (Voodoo Banshee/SGRAM 16MB)
  Canopus SPECTRA Light T32 PCI (RIVA TNT2 Pro/SDRAM 32MB)
  JETWAY NV11-P1-064B (GeForce2 MX400/SDRAM 64MB)(*1)
  TORICA VRD7000-64PTV (RADEON7000 64MB)
  POWERCOLOR R9-CDT-P64D (RADEON9000 64MB)
  玄人志向 RD92SE-LP64D (RADEON9200SE 64MB/64bit)
  POWERCOLOR R92-CDT-P256D (RADEON9200 256MB/128bit)
  玄人志向 RD9250-LP64D (RADEON9250 64MB/64bit)
  玄人志向 RD925-LP128C (RADEON9250 128MB/128bit)
  SAPPHIRE R9250 128M 64-BIT DDR PCI (RADEON9250SE 128MB/64bit)
  玄人志向 RD925-P256C (RADEON9250 256MB/128bit)
  ELSA GLADIAC FX 534 LP PCI 128MB (GeForce FX 5200 128MB) (*1)
  玄人志向 GFX5700LE-P128C (GeForce FX 5700LE 128MB) (*1)
  玄人志向 GFX5700LE-P256C (GeForce FX 5700LE 256MB) (*1)
  玄人志向 GF6200A-LP128H (GeForce6200A 128MB)(*1)
  XGI Volari V3XT(128MB) (*2
)
  XGI Volari Z7(32MB)(*3)
*1…CPUがPentiumIIの場合に正常稼働。Coppermine,Tualatinコアでは一部不具合あり。
*2…Tualatinコアでは一部不具合あり。PentiumIIでは正常稼働すると思われるが未確認。
*3…Windows9x環境用ドライバがなかったため、ドライバをインストールした場合の挙動については未確認。
 ※使用できなかったもの
  PROLINK PixelView G2 MX200 (GeForce2 MX200/SDRAM 32MB/with TV out)
  アイ・オー・データ GA-GF420/PCI (GeForce4 MX420 64MB)
  ZOTAC ZT-62APH2N-HSL(GeForce6200/DDR2 512MB/64bit)
  玄人志向 RX1300-LP128H (RADEON X1300 128MB/32bit)
  玄人志向 RX1300-LP256H (RADEON X1300 256MB/32bit)
  

 GeForce2 MX200については、他社製ビデオカードでは動作報告が出ていたりするので、これだけが相性問題で使用できなかった可能性が高い。ただし、GeForce2MX系では3D表示時に障害が発生するという情報があるので、要注意。

 GA-GF420/PCIは、仕様上はPC-98NXでも動作することとなっているが、うちのマシンでは動かなかった。クロックアップ等の影響も考えられるが、「本製品のVGA BIOSの容量は32KBを超えています。お使いのパソコンが32KBを超える容量のVGA BIOSに対応しているか、パソコンメーカーにご確認ください。」という仕様にひっかかっている可能性が高いと見ている。⇒その割に他のボードが動作するので、これが原因ではないと思われる…

 RD925-P256Cについては、BXマザーでも動作しなかった点から、また他社の9250搭載ビデオカードでPCI Rev.2.2を要求している点から、PCI Rev.2.1では動作しないものと思われる。ただし、チップ自体はPCI Rev.2.2以降でないと動作不可との記述はない。(RD925-LP128Cの動作を確認したことから記述追加)→2006.12.31正常動作を確認

 GeForce系については、CPUがノーマルのPentiumIIの場合には特段の支障はなく使用可能である。ただし、Coppermine or TualatinコアのCeleronに換装した場合には、インストール及び2D画面表示には何ら問題ないものの、3D表示をしようとするとハングアップしてしまうという症状が出る。DirectXもドライバも最新のものにしてこの状態なのだが、どうやらSSE命令に関する処理でつまずくようだ(HDBENCHのDirect3Dは正常に表示することを確認)。HardwareT&L周りがおかしいという情報もあるが、もともとアイ・オー・データのCPUアクセラレータを搭載した場合にも3D表示周りがおかしくなるケースが多かっただけに、解決は難しいと判断せざるを得ない。

 XGIのVolariについては、メーカーHPにおいてPCI Rev.2.2以降対応との記述が明確にあるため動かなくてもおかしくないのだが、本機では動作が確認できた。ただし、GeForce系と同様、3DMark2001SE、3DMark03でハングアップする現象を確認。症状はまたちょっと違うのだが、原因は同じものと推定される。

 アイ・オー・データ、メルコともに、SSE命令使用時のトラブル発生については確認してFAQとして示している。また、メルコの場合にはGeForce2MX搭載ビデオカード使用時のトラブルについて記載があるので、CPUを換装した場合の回避方法は、GeForce系以外のビデオチップを採用したPCI Rev.2.1対応のビデオカードを探して搭載するということしかないと思われる。
MediaPlayer9で動画再生時にフリーズする。動画再生ソフト上で、動画を再生するとフリーズする
nVidia社製GPU「GeForce2MX」シリーズ搭載のグラフィックボード動作環境において3D系ソフトを起動するとハングアップする
 現状、問題なく稼働する(後述のとおりSSE命令に関する障害はあるが)と判断できるのは、RADEON系のGPUを搭載したボードだけであり、しかも他のデバイス(オンボードを含む)との相性を考えると、メモリ容量64MB以下のものが極力望ましいということになる。もちろん、CPUをノーマルのPentiumIIで動かすのなら選択枝はぐっと拡がるのだが(たぶんPPGA Celeron[Mendocinoコア]まではOK)。

 2005.07.13追記
 RADEON系ビデオカードでも、SSE命令に関する障害を確認できた。GeForce系等に較べればマシとはいえ、SSEを使われてしまうとハングアップする確率は高いようだ。アイ・オー・データのSSE Disablerを使用してみたが、途中で例外処理エラーを出して停まってしまう例が多かった。
 これは、ソフトウェアの動作条件がPentiumIII/Celeron/500MHz以上などとなっている場合には、決め打ちでSSE命令を使用していて、それを回避するルーチンが組み込まれていないもしくは動作しないからだと思われる。こうなってしまうとお手上げでいかんともし難いところ。動作条件がMMX Pentium以降などとなっている場合には、SSE命令が使用できるかの判別が行われていると思われるので、SSE Disablerで回避できる可能性が高いと思われる。ゲームなどでSSE命令を使用するかどうか設定できる場合には、「SSE命令を使用しない」設定とすればほぼ問題なく動くと思われる。

 2009.05.02追記
 ZOTAC ZT-62APH2N-HSについては、ハードウェア的には認識しドライバのインストールまで可能だが、インストール後の起動時にドライバ読み込みでフリーズする。





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